Gemini 4 Carbon:サイバーセキュリティ向けのGoogleの新モデル
Gemini 4 CarbonはGoogleのサイバーセキュリティ向け新モデル。数日続くタスクもこなすとされ、当初は一部企業のみ。何ができるとされるか確認します。
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この記事の内容
10月28日、Googleは新しいフロンティアモデルGemini 4 Carbonを発表しました。発表したのはKoray Kavukcuoglu氏(Google DeepMind、GoogleのChief AI Architect)で、「サイバーセキュリティと長いタスクにおいて最高水準の能力」(原文は「state-of-the-art cybersecurity and long horizon capabilities」)を持つモデルだと説明しています。当面、利用できるのはサイバーセキュリティ業界の一部の企業だけです。
AIの文脈で何が新しいのか?
Carbonは、10月13日に登場したGemini 4 Argonからわずか2週間で出てきました。Googleが力を入れているのは次の3点です。
- 長時間のエージェント型タスク。 発表によると、GoogleのチームはCarbonが何日も続けて作業する様子を確認しました。複数ステップのタスクで行き詰まりを乗り越え、たとえば大規模なコードベースや低レベルのシステムでバグの原因を突き止めて修正したといいます。
- サイバーセキュリティ。 脆弱性を見つけ、検証し、修正パッチを書くことが想定されています。Googleによると、社内テストでは安全なコードの生成においてArgonの2倍以上の効果を示しました。
- Web開発。 WebDev ArenaではEloを89ポイント伸ばし、1769で4位です。
さらにGoogleによると、クラウドセキュリティプラットフォームのWizは、WebアプリのペネトレーションテストのベンチマークでCarbonがトップだとしており、これがWizの取り組みScan for Goodを支えています。
Gemini 4 Carbonのベンチマーク結果は?
Artificial Analysis Intelligence Index v5.0では、Carbonは59ポイントで1位です。セキュリティのベンチマークについて、Googleは次の数字を挙げています。
| ベンチマーク | 測定内容 | 結果 |
|---|---|---|
| SEC-bench Pro | 脆弱性の発見 | 88.2% |
| ExploitGym | エクスプロイトの作成 | 54.8% |
| CWE-bench | パッチ適用 | 71.0% |
興味深いことに、Googleは外部ベンチマークをガードレールなしで実行したと明記しています。つまり、モデルの素の能力を測った数字です。
CarbonはArgonより安全なのか?
Googleによれば、そうです。間接プロンプトインジェクション(indirect prompt injection)攻撃を扱うGray Swanのベンチマークでは、攻撃の成功率が**0.0%**に下がりました(Argonは0.7%)。Terminal-Bench 4.0では、タスクでの不正の成功が0.0%、不正の試みが0.4%に減っています。
ただ、最も興味深い数字は実際のコードで動くエージェントに関するものです。プログラミング環境における深刻なミスアライメント(misalignment)のアラートが約80%減少しました。加えて社内テストによると、根拠のない主張をする頻度が下がり(Argonのおよそ半分)、頼まれた以上のことをする頻度は26%、頼まれたより少ないことしかしない頻度は29%減っています。詳細はGemini 4の安全性レポートにあります。
Gemini 4 Carbonを試すには?
現時点では、まず無理です。Googleは段階的に提供します。
- 今週から:選ばれたサイバーセキュリティの防御側チーム。
- その後:Fairwindプログラムを通じた、ほかの信頼できるパートナー。フォームから申し込めます。優先されるのは政府、重要インフラの事業者(病院、通信、エネルギー、金融)、大手テクノロジープラットフォームで、Googleが候補を審査します。
- 「近日中」:開発者、企業、一般ユーザー。Googleがフィードバックを集め、安全対策を仕上げてからです。
提供開始時の料金はArgonと同じで、入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドル、キャッシュされたトークンは95%割引です。プロモーション期間の終了後は4ドルと20ドルになります。Carbonについて、この期間がいつ終わるかをGoogleは明らかにしていません。
Googleは、米国政府が実施するリリース前の自主的なモデルテストにも参加しています。
注目すべき点は?
1つ目は、誰が最初にモデルを手にするかです。Carbonはまず防御側に渡ります。以前、Claude MythosがBank of Americaに提供されたのと同じです。脆弱性を見つけて悪用できるモデルはますます強力になっており、各ラボは攻撃側より先に防御側に持たせたいと考えています。それが理論だけの話でないことは、Argonの助けも借りて発見されたPHPのPHP2Shell脆弱性が示しました。
2つ目は、数字の出どころです。結果の大半はGoogle自身か社内テストによるもので、独立した検証ができるのは、モデルがより広く提供されてからになります。
3つ目は、スピードです。ArgonからCarbonまで2週間というのは、今のAIの基準から見てもかなり速いサイクルです。
よくある質問
Gemini 4 Carbonとは?
Google DeepMindの新しいフロンティアモデルで、2026年10月28日に発表されました。サイバーセキュリティと長時間のエージェント型タスク向けで、Googleによるとタスクは数日続くこともあります。
Gemini 4 Carbonはいつ誰でも使えるようになる?
Googleは日付を示していません。まず選ばれた防御側チームとFairwindプログラムのパートナーが利用し、開発者、企業、ユーザーは「近日中」とされています。
Gemini 4 Carbonの料金は?
提供開始時は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルで、Gemini 4 Argonと同じです。プロモーション期間の終了後は4ドルと20ドルです。
Gemini 4 CarbonとGemini 4 Argonの違いは?
Googleによると、Carbonはサイバーセキュリティ、数日にわたるエージェント型タスク、Web開発で優れており、安全性テストでは操作されにくくなっています。ArgonはすでにAPIとGeminiアプリで使えますが、Carbonはまだです。